即戦力採用の主流!特定技能「介護」の基本条件と受け入れまでのステップを徹底解説

即戦力採用の主流!特定技能「介護」の基本条件と受け入れまでのステップを徹底解説 特定技能
介護/医療x外国人材 受け入れ方法
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なぜ今、特定技能「介護」が即戦力採用の主流なのか?

日本の介護業界は、少子高齢化の急速な進展により、慢性的な人材不足に直面しています。この喫緊の課題を解決する手段として、外国人材の採用は不可欠な戦略となっています。特に在留資格「特定技能」は、即戦力として期待できる人材を比較的柔軟に受け入れられることから、介護現場における外国人材採用の主流となりつつあります。

深刻化する介護業界の人材不足の現状

内閣府のデータによると、日本の高齢化率は過去最高の29.3%を記録しており、特に後期高齢者層の拡大が進行しています。この需要増加に対し、介護現場の人材不足は極めて深刻です。

公益財団法人介護労働安定センターの調査結果(令和5年度)によれば、事業所全体の従業員の過不足感について「大いに不足」「不足」「やや不足」を合計すると64.7%に上ります。職種別に見ると、特に訪問介護員においては、「大いに不足」、「不足」、「やや不足」の合計が約8割に達し、深刻な不足感を意味する「大いに不足」と「不足」の合計だけでも約6割に上るという結果が出ています。

このような背景から、外国人介護人材の受け入れは急増しています。全国7,726の介護施設を対象とした調査(令和6年度)では、44.9%の施設が外国人介護人材を受け入れており、そのうち57.4%の施設が「今後も受入れを増やしたい」と考えていることが明らかになっています。

日本が抱えている迫り来る人材不足や、外国人材の介護分野における需要は「迫りくる危機:介護/医療x外国人材が日本の未来を左右する」でも記載した通り、これから益々高まってきます。

外国人介護人材受け入れの4大在留資格と特定技能の位置づけ

外国人介護人材を受け入れるための在留資格には、主に「特定技能」「技能実習」「EPA(経済連携協定)」「在留資格『介護』」の4種類があります。各制度は目的や要件が大きく異なりますが、現在最も施設に活用されているのが特定技能です。

特定技能は、技能実習のような複雑な技術移転の制約が少なく、資格を必要とせずに即戦力として比較的早く現場に入ることが可能であり、これが多くの施設で採用が進む理由となっています。

受け入れ施設が特定技能に期待する理由

特定技能「介護」は、受け入れ施設にとって人材不足の解消に直接貢献する制度として認識されています。

受け入れ施設への調査では、「今後増やしたい在留資格」として特定技能が74.0%で圧倒的なトップとなっており、その具体的な理由として「介護人材が不足している」ことを挙げる施設が71.1%と最も多くなっています。

特定技能は、現場配属当日から人員配置基準に含めることができ、即戦力として夜勤を含む幅広い業務に従事させられるため、人手不足が深刻な施設にとって最も効果的な採用手段であると言えます。

特定技能「介護」の基本要件と人材像

特定技能「介護」は、高い日本語能力と技能水準を求める代わりに、比較的自由に業務に従事できる在留資格です。受け入れを成功させるためには、外国人が満たすべき条件と、受け入れ事業所が負うべき義務を正確に理解しておく必要があります。

外国人材が満たすべき技能・日本語能力水準

特定技能「介護」の在留資格を取得するためには、原則として以下の試験に合格し、一定水準以上の優良な人材であることを証明する必要があります。

  1. 介護技能評価試験
  2. 国際交流基金日本語基礎テスト(または日本語能力試験N4以上)
  3. 介護日本語評価試験 (介護特有の専門的な日本語能力を測る試験)

特に介護分野においては、人対人のケアに従事するため、通常の日本語試験(N4以上)に加え、介護日本語評価試験の合格が必須とされている点が特徴です。

【試験免除の特例】 以下のいずれかの要件を満たす場合は、上記の試験が免除されます。

  • 介護福祉士養成施設を修了した者。
  • 介護分野の技能実習2号を良好に修了した者。
    • 技能実習2号を修了した人材は、すでに日本で3年間の実務経験と生活経験があるため、即戦力化しやすく、多くの施設で採用の優先候補とされています。

受け入れ事業所(特定技能所属機関)が満たすべき義務と基準

特定技能外国人を受け入れる介護事業所は、労働関係法令を遵守し、日本人と同等以上の待遇を提供しなくてはなりません。特に以下の義務と基準を満たすことが求められます。

  1. 雇用契約の履行と待遇:
    • 外国人介護人材に対し、日本人職員と同等以上の報酬の額や労働時間等の労働条件を提供し、雇用契約を確実に履行すること。
  2. 支援の実施:
    • 1号特定技能外国人支援計画に基づき、生活面を含む各種支援を適切に実施すること(詳細は後述)。
  3. 人数上限:
    • 受け入れる特定技能1号外国人の人数は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員(雇用保険被保険者)の総数を上限とする。
  4. 協議会への加入:
    • 初めて1号特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に、「介護分野における特定技能協議会」の構成員になること。
  5. 届出義務:
    • 出入国在留管理庁およびハローワークへの各種届出を確実に行うこと。

特定技能「介護」で可能な業務範囲—2025年訪問介護解禁の詳細

特定技能「介護」で任せられる業務は、身体介護等のほか、これに付随する支援業務(入浴、食事、排泄の介助、レクリエーションの実施、機能訓練の補助など)とされており、単独での夜勤や服薬介助も可能です。

特に2025年4月からは、長らく認められていなかった訪問介護業務への従事も解禁されました。これは、人手不足が深刻な訪問系サービスを提供する事業所にとって、大きな採用チャンスとなります。

【訪問介護への従事要件(2025年4月より)】 訪問介護サービスに従事させる場合、サービスの質を確保するため、受け入れ事業所は以下の遵守事項5点要件2点を満たす必要があります。分類要件/遵守事項詳細(抜粋)人材要件(原則)実務経験1年以上介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が1年以上あることが原則。体制要件OJTの実施サービス提供責任者等による一定期間の同行等のOJTの実施。研修の実施訪問介護の基本事項、日本の生活様式、緊急時の対応などを含む研修の実施。キャリアパス策定外国人材と共同でキャリアアップ計画を策定し、共有すること。ハラスメント対策マニュアルの作成や相談窓口の設置等、ハラスメントを未然に防止するための措置。ICT活用等不測の事態に備えたICT活用(コミュニケーションアプリなど)や環境整備。利用者要件利用者・家族への説明外国人材が訪問する場合があることや、実務経験等について事前に書面を交付して説明し、署名を得ること。

訪問介護の解禁により、人材の獲得競争の激化が予想されますが、訪問系サービス事業者はこの機会に採用体制の準備を進めることが推奨されます。

特定技能「介護」採用のメリットとデメリット(現場担当者が知るべき実態)

特定技能「介護」は、多くのメリットを持つ一方で、長期的な雇用を考える上で事前に認識しておくべきデメリットも存在します。

採用側から見た4つの大きなメリット

特定技能「介護」は、以下の点から他の在留資格と比べても採用のしやすさ、活用のしやすさが際立っています。

  1. 即戦力性・高いスキル水準の確保 特定技能外国人は、入国前に日本語試験と介護技能評価試験に合格しているか、または技能実習2号を良好に修了しているため、一定水準以上の技能を有しています。採用担当者は、基礎的な日本語能力と介護技能を持つ人材を確保できるため、育成コストを抑えつつ即戦力としての活躍を期待できます。
  2. 人員配置基準への即時算入 特定技能外国人は、現場配属当日から人員配置基準に含めることが可能です。これに対し、技能実習生は原則として現場配属後6ヶ月経過後から(日本語能力N2以上合格者は除く)となるため、即時の人手不足解消を重視する施設にとって、特定技能は大きなメリットとなります。
  3. 採用母数の多さと地方での採用優位性 特定技能は現在、最も多くの外国人材が取得を目指しており、介護福祉士資格保持者(在留資格「介護」)が母数が少ないために採用が難しいのと対照的に、応募が集まりやすい傾向にあります。また、日本人介護士が集まりにくい地方の勤務地であっても、外国人材は金銭面や同国人コミュニティの利便性を条件とする場合が多く、採用が決まるチャンスが大きいというメリットもあります。
  4. 業務範囲の広さと柔軟なシフト 特定技能人材は夜勤や服薬介助を含む基本的な介護業務全般に従事できます。さらに2025年4月からは条件付きで訪問介護も可能となり、業務の幅がさらに広がりました。

留意すべきデメリットと転職リスクへの対策

特定技能制度を活用する上で、特に注意すべきは在留期間の制限と、それに伴う人材の定着リスクです。

  1. 在留期間の上限(5年) 特定技能「介護」は、現在1号のみが認められており、在留期間は通算で最大5年間と定められています。これは、施設が時間と費用をかけて育成した人材であっても、原則として5年後に帰国しなければならないことを意味します。この制限を回避し、永続的な雇用を実現するには、特定技能の在留期間中に介護福祉士国家資格を取得させ、在留資格「介護」へ移行させる必要があります。
  2. 転職(転籍)リスクの存在 技能実習制度と異なり、特定技能制度では転職が自由に認められています。海外では転職はポジティブに認識される文化があるため、就労条件や人間関係に不満があると、あっさりと転職してしまうリスクが高いと言えます。実際にトラブルが発生した施設では、「職員等社内トラブル」(30.3%)が上位に挙げられています。
  3. 経費負担の発生 特定技能外国人の採用には、渡航費、住居準備費用といったイニシャルコストに加え、義務的支援(後述)の実施や、登録支援機関への委託費用(月2万~4万円程度が相場)など、ランニングコストが発生します。

【対策:定着を促す「待遇の同等性」】 離職を防ぎ定着率を向上させるために、受け入れ施設が最も重視すべきは、日本人職員と同等以上の待遇(給与面・キャリアパス等)を提供することです(57.9%の施設が重視)。処遇を改善し、キャリアパスを明確に示すことが、離職防止の最大の鍵となります。

特定技能「介護」受け入れの具体的なステップ(国内・海外採用フロー)

特定技能外国人の採用は、在留資格の申請手続きを伴うため、入職までに一定の期間が必要です。採用は、日本国内にすでに在留している人材を「在留資格変更」で雇用するケースと、海外から新規に「在留資格認定証明書」を発行して招へいするケースに大別されます。

日本国内に在留する人材を採用する場合

国内在留者(例:技能実習2号修了者、留学生など)は、すでに日本での生活基盤があるため、比較的短期間で採用が可能です。Step実施内容概算期間Step 1外国人材による試験合格/技能実習2号良好修了Step 2特定技能外国人と雇用契約を結ぶStep 3特定技能外国人支援計画の策定Step 4在留資格変更許可申請(地方出入国在留管理局)約3〜4ヶ月Step 5「特定技能1号」へ在留資格変更Step 6就労開始

国内採用の場合、勤務開始までに約3〜4ヶ月を要するのが一般的です。

海外から新規に来日する人材を採用する場合

海外在住者を招へいする場合、在留資格認定証明書の交付申請や査証(ビザ)申請が必要となるため、国内採用よりも時間を要します。Step実施内容概算期間Step 1外国人材による試験合格/技能実習2号良好修了Step 2特定技能外国人と雇用契約を結ぶStep 3特定技能外国人支援計画の策定Step 4在留資格認定証明書交付申請(地方出入国在留管理局)Step 5在留資格認定証明書受領Step 6在外公館に査証(ビザ)申請・受領約5〜7ヶ月(総期間)Step 7入国・就労開始

海外採用の場合、勤務開始までに約5〜7ヶ月を要するのが一般的です。

技能実習から特定技能への移行について

技能実習は将来的に育成就労制度へ移行する方針が示されており、多くの施設は特定技能への採用にシフトしています。技能実習2号(3年間)を良好に修了した人材は、試験免除で特定技能1号に移行することができ、さらに5年間働くことが可能です。

この移行時に、人材は別の施設へ転籍・転職することが可能です。これにより、施設側は技能実習制度で育成した優秀な人材が、より好条件の施設へ流出するリスクに直面します。

定着率向上の鍵:特定技能外国人への義務的支援とキャリアパス

特定技能外国人を受け入れる施設には、単に労働力を得るだけでなく、彼らが日本で安心して働き続けられるよう、生活面やキャリア形成を支援する義務があります。これが**「1号特定技能外国人支援計画」**に基づく義務的支援です。

法人に義務付けられている10項目の支援内容

受け入れ事業所は、特定技能外国人が日本で安定して生活・就労できるよう、以下の10項目について支援計画を立て、実施する必要があります。

  1. 事前ガイダンス:労働条件、活動内容、費用負担などについて、母国語で説明。
  2. 出入国する際の送迎:入国時および一時帰国時の空港への送迎。
  3. 住居確保・生活に必要な契約支援:住まいの提供や契約の支援、法人保証人となることなど。
  4. 生活オリエンテーション:日本の生活ルール、公共交通機関の利用方法、緊急時の対応などを説明。
  5. 公的手続き等への同行:住民登録、銀行口座開設、健康保険加入などの手続きの同行。
  6. 日本語学習の機会の提供:日本語教室の案内や学習教材の提供など。
  7. 相談・苦情への対応:職場や生活上の相談に母国語で対応できる体制を構築。
  8. 日本人との交流促進:地域住民との交流や日本人職員とのコミュニティ支援など。
  9. 転職支援(自己都合退職以外):転職を希望する場合、求人情報の提供や推薦状作成など。
  10. 定期的な面談・行政機関への通報:最低3ヶ月に1回、本人及び監督者と面談し、問題があれば行政機関へ通報。

これらの支援は、自社で対応が難しい場合、登録支援機関へ委託することが可能です。

現場の課題解決と定着に向けた支援事例(住居・日本語・文化理解)

多くの施設が実施している支援策として、住居支援(84.7%)、生活支援(78.0%)、インターネット環境の整備(67.4%)、日本語学習や介護導入研修の実施(60.4%)が上位を占めます。

現場担当者が特に悩む課題と、それに対応する支援策は以下の通りです。現場の主な悩み施設が実施/重視する支援策日本語の習熟度が低い(51.1%)日本語学習や介護導入研修の実施 (60.4%)、N3程度の合格や試験対策を目的とした無料WEBコンテンツ「にほんごをまなぼう」の活用。文化の違い(宗教・習慣)(39.6%)職員間のコミュニティ支援 (60.9%)、異文化理解の研修、宗教的な行動や習慣に配慮した支援(例:お祈りのための離席を認める)。生活のルール(ゴミ捨て等)を教えるのが大変 (20.7%)住居支援(84.7%)、生活支援(買い物、病院の付き添い、行政手続き等)、生活上のマナー(ゴミの分別、交通ルール等)を十分に伝える。経費(給与+α)全般が予想以上にかかる (45.8%)日本人と同等の待遇(給与面・キャリアパス等)の提供を重視 (57.9%)。

特に、日本語力の不足は業務上のミスやコミュニケーション不足につながる最大の問題であり、受け入れ側がゆっくり、簡単な日本語で伝える配慮が不可欠です。

介護福祉士資格取得を通じたキャリアパスの明示

特定技能の最大のデメリットである「5年間の在留期間制限」を克服し、人材のモチベーションと定着率を最大化するには、介護福祉士資格取得を通じた長期的なキャリアパスを明示することが極めて重要です。

介護福祉士国家試験は、日本語能力や専門知識の面で外国人にとって非常に難易度が高いですが、合格し在留資格「介護」へ移行できれば、在留期間の更新制限がなくなり、家族帯同も可能となります。これは、外国人が日本で長期的に生活していくための究極の目標となります。

施設側は、以下の支援を体系的に行うことが求められています。

  1. キャリアパスの整備・明示: 49.8%の施設がキャリアパスを整備し、昇進機会を提供しています。介護福祉士取得後のリーダー職や管理職への昇進といった具体的な道筋を提示し、評価の高い人材には役職をつけることが定着に貢献します。
  2. 段階的な資格取得支援: 初任者研修から実務者研修、そして国家試験へと段階的にステップアップできる環境を整備し、受験費用を施設が負担するなどの制度導入が有効です。
  3. 試験対策のサポート: 日本語レベルが向上できるような環境作り(N2取得目標)、母国語対応の国試対策(オンライン講座など)の受講サポートが、合格率向上に有効です。厚生労働省も多言語対応の学習用テキストや専門用語集を提供しています。

このように、特定技能で培った実務経験を基盤とし、資格取得を通じて中核人材(リーダー候補)として育成していく視点が、施設の持続可能な運営の鍵となります。

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