2025〜2026年にかけて、地方自治体レベルでの不法就労対策が急速に強化されています。群馬県は業界団体と連携した「宣言」で企業の自主的な取り組みを促し、茨城県は市民からの通報に報奨金を支払う全国初の制度を導入しました。「知らなかった」では済まされない新たな摘発リスクが、あなたの会社にも迫っています。
この記事でわかること
- 群馬県「ストップ不法就労・共生ぐんま宣言」の内容と企業への実務的影響
- 茨城県「不法就労通報報奨金制度」の仕組みと、全国の企業が他人事にできない理由
- 2025年6月に強化された不法就労助長罪の新しい罰則水準
- 採用・雇用管理担当者がすぐ実践できる在留資格確認の手順
不法就労の現状はどれほど深刻か?
入管庁のデータによると、2024年(令和6年)に全国で摘発された不法就労外国人は約1万4,453人にのぼります。そのうち茨城県だけで3,452人(全国の約25%)を占め、3年連続で退去強制手続き対象者数が全国ワースト1位となっています。
農業・建設・製造業で外国人材への依存度が高い地域ほど、不法就労が構造的に根付きやすいという現実があります。しかしこれは「特定の地方だけの問題」ではありません。製造業の下請け構造や人材紹介を介した採用が一般的な業界では、採用元が気づかないうちに不法就労者を雇い入れているケースが全国に存在します。
在留資格の種類と就労範囲の違いを正確に理解していない企業が、不法就労に巻き込まれるリスクが最も高いといえます。技人国ビザと特定技能の違い・不法就労を防ぐ2026年採用ガイドも合わせてご確認ください。
群馬県「ストップ不法就労・共生ぐんま宣言」とは何か?
宣言の概要
2025年9月26日、群馬県は県内の主要業界団体と知事による「ストップ不法就労・共生ぐんま宣言」の調印式を開催しました。不法滞在・不法就労というルール違反をなくしながら、ルールを守る外国人労働者を地域経済の「仲間」として受け入れる「秩序ある共生社会」の実現を目指す取り組みです。
宣言が掲げる3つの柱
宣言の内容は、大きく3つの柱で構成されています。
不法就労の防止
外国人を雇用する際に在留カードの確認を徹底し、不法就労を発見した場合は警察等に相談・通報します。
労働基準の遵守
適法な雇用契約のもとで外国人労働者に安全な労働環境を提供し、契約内容を明確に伝えます。
多文化理解の促進
宗教・文化の違いを尊重し、職場でのスムーズなコミュニケーション環境を整えます。
調印した業界団体(11団体)
介護施設、観光・宿泊業、林業・木材業、農業協同組合、使用者団体、商工会議所・商工会ネットワーク、中小企業団体、建設業協会、国際観光推進財団など、幅広い産業分野が名を連ねています。
企業への実務的な影響はどうなるか?
宣言への参加は現時点で強制ではありませんが、調印した業界団体に加盟する企業は「組織として宣言の趣旨に賛同している」という立場になります。今後、官公庁からの受注や補助金審査において「外国人雇用の適正管理」が評価基準に加わる可能性は十分にあります。
また、群馬県内の企業が取引先として審査される際、不法就労への関与が発覚すれば取引停止・契約解除リスクが高まります。宣言は「任意」であっても、周辺のコンプライアンス圧力は確実に上昇しています。
茨城県の「通報報奨金制度」が企業にとって脅威になる理由とは?
制度の概要
2026年度、茨城県は都道府県初となる不法就労通報報奨金制度を導入しました。インターネット経由で市民から情報を受け付け、県が調査のうえ不法就労が確認されれば県警に連絡します。雇用事業者の摘発に至った場合、情報提供者に1万円の報奨金が支払われる仕組みです。予算額として3,700万円が計上されています。
入管庁はすでに類似制度を運用していますが、都道府県レベルでの導入は茨城が全国初となります。
なぜ茨城県が先行したのか?
前述のとおり、茨城は農業分野での不法就労が深刻で、3年連続の全国ワーストが導入の直接的な契機となっています。県としては「自治体として主体的に摘発に取り組む」姿勢を示すことで、受け入れ側の事業者への牽制効果を狙っています。
企業が直面する新たなリスクとは何か?
この制度が全国に与える最大のメッセージは、「外部からの通報が企業摘発の引き金になりうる」という点です。従来、不法就労の摘発は入管庁や警察が主導するものでした。しかし今後は次のような変化が起きます。
- 近隣住民・元従業員・競合他社の関係者など、誰でも通報者になりうる環境になります
- 情報提供に金銭的インセンティブが加わることで、通報数が増加する可能性があります
- 報奨金制度が他の都道府県にも波及すれば、全国的に通報環境が整備されることになります
「うちは大丈夫」という根拠のない安心感は、今こそ見直すべきタイミングです。
2025年6月改正で罰則はどう変わったのか?
2025年6月の法改正により、不法就労助長罪の罰則が以下のとおり引き上げられました。
| 改正前 | 改正後 | |
|---|---|---|
| 懲役 | 3年以下 | 5年以下 |
| 罰金 | 300万円以下 | 500万円以下 |
| 併科 | なし | あり(懲役+罰金の両方) |
特に注意すべきは「故意がなくても処罰対象になりうる」点です。在留資格の確認を怠っていたこと自体が「不法就労を助長した」と判断されるリスクがあります。「知らなかった」「確認しなかった」は、法律上の免責理由にはなりません。
また、2026年4月には技人国申請においてカテゴリー3・4企業への追加書類義務化も施行されています。申請フローの見直しも急務です。詳しくは【2026年4月15日施行】技人国申請 カテゴリー3・4に追加書類義務化|自社への影響と対応チェックリストをご覧ください。
雇用管理を今すぐ見直すには何をすればよいか?
採用・入社時の確認チェックリスト
- 在留カードの原本を直接確認した(コピー・写真は不可)
- 在留資格の種別を確認し、当該業務が許可されていることを確認した
- 在留期限を確認し、期限内であることを確認した
- 「資格外活動許可」の有無を確認した(留学生等のアルバイト採用時)
- 在留カードのICチップを専用アプリで読み取り、偽造でないことを確認した
- 出入国在留管理庁の在留カード等番号失効情報照会を実施した
なお、在留資格の更新・変更に伴うコスト負担は2026年度から大幅に増加しています。企業側の費用設計を見直す際は【2026年度施行】在留資格更新手数料が6,000円→最大4万円に値上げも参照してください。
雇用継続中の管理チェックリスト
- 在留期限が近づいたら更新手続きの進捗を確認している
- 在留資格の変更(転職・身分変更)があった場合に把握できる仕組みがある
- 労働条件(賃金・労働時間)は外国人と日本人で同等の基準が適用されている
- 派遣・請負で外国人を受け入れる際も、元請け側が在留資格を確認している
申請手続きに不安がある場合は専門家への相談が有効です。【2026年施行】行政書士法改正が特定技能の外国人材受け入れに与える影響と法的リスク回避の完全ガイドでは、専門家活用の具体的な判断基準を解説しています。
社内体制の整備チェックリスト
- 外国人雇用に関する社内担当者・責任者が明確になっている
- 疑義が生じた際に行政書士・社労士等の専門家に相談できる体制がある
- 採用担当者向けの在留資格確認に関する定期的な研修が実施されている
まとめ—今、企業に求められる行動とは何か?
群馬の「宣言」と茨城の「報奨金制度」は、いずれも行政が企業の外国人雇用管理に介入する強度を高めていることの表れです。これらはモデルケースとなり、他の都道府県への波及が現実的なシナリオとして見えてきました。
- 群馬県は2025年9月に11業界団体と「ストップ不法就労・共生ぐんま宣言」に調印し、企業の自主的な在留資格確認と不法就労通報を促す官民連携体制を構築しました
- 茨城県は2026年度に全国初の「不法就労通報報奨金制度」を導入し、市民1人につき1万円の報奨金制度により第三者通報による摘発リスクが現実化しました
- 2025年6月の法改正で不法就労助長罪の罰則は「5年以下の懲役または500万円以下の罰金(併科あり)」に強化されました
- 採用担当者は在留カード原本確認・ICチップ読み取り・失効情報照会の3ステップを雇用管理フローに組み込むことが急務です
外国人材の採用から定着・戦力化までの全体像を把握したい方は、特定技能のすべてを網羅する完全ロードマップもあわせてご覧ください。
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